浦崎真子/「時計を捨てて」より
階段に若者二人老人を降ろしてゐたり毀さぬやうに
ガタガタとここから壊れて行く様な気がして小さな箱を覗けり
雑踏を抜けて入りたる画廊にて遠くへ続く道をみてゐる
マフラーの音全開に夜をゆく君達もまた風を捜しに
風に乗る鳥となりたし ポケットの確かに進む時計を捨てて
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