渡邉千華子/「風の行方」より

  • 夕暮れに向かう列車を撮りためて男のpocketふくらんでいる
  • うつくしき習性を持つ鳥ゆえに場をととのえて待つ幾月か
  • カバンに入れた飴溶け出しているのではないかと思う 青年期過ぐ
  • 懐かしい抑揚のあるきみの文字また読み返している 膨らむ
  • 昨日まで右側に居た人をもう風の行方のように話せり
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