浦崎真子/「繋がりたくて」より
朝刊に101歳の歌を読む日は花柄のブラウスを買ふ
デパートの包装紙みたいな雲が湧き 町ふんわりと包まれてゐる
春鯉の跳ね上がりたる一瞬に小さき目をもて青天(そら)を見るらむ
ゆつくりと傍をすぎても飛び立たぬ鳩よ人を信じてよいか
十字路に描かれた小さな靴型に乗つかつてみる 繋がりたくて
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